配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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研究概要 |
シオミズツボウムジのストレス耐性に関わる遺伝子群を同定するために,ストレス応答に重要な役割を持つ転写因子であるHSF-1遺伝子をクローニングし,本転写因子によって発現を調節される遺伝子群の同定を進めた.また,活性酸素を産生する薬剤であるユグロンを用いた実験を行った.まず,(1)ユグロン濃度に依存した死亡が観察されたことから,本薬剤はワムシ類にも効果があることが分かった.次に, (2)低濃度でユグロンを投与し.1時間〜48時間にわたって回復させた後に,致死濃度のユグロンに暴露する実験を行った.その結果,24時間の回復時間をとった場合に,ユグロンに対する耐性が高まることが分かった.こうした効果はホルミシスと呼ばれ,ワムシ類においては初めての発見となった.続いて, (3)シオミズツボワムシと,その近縁種であるBrachionus rotundiformisの2種間でユグロン耐性を比較したところ,後者の方が高い耐性を有することが分かった.これは,急速の酸化ストレスに対する防御機構の違いを反映しているものと考えられた.さらに,(4)ユグロンの投与によってホルミシスを誘導したワムシに急速な熱ストレスを与えた場合,熱に対する耐性も向上することが分かった.すなわち,ワムシにおいて酸化と熱によるストレス防御機構は,共通し九分子によってもたらされている可能性が示唆された.(5)ユグロンの投与によって発現が誘導される遺伝子群を同定するために, cDNAライブラリを構築した.このライブラリを用いてcDNAマイクロプレイを作成し,ストレスの種類や強さと発現する遺伝子のプロファイルについて解析を進めている.
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