研究課題/領域番号 |
18689047
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小野 可苗 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教 (60344983)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
28,730千円 (直接経費: 22,100千円、間接経費: 6,630千円)
2007年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2006年度: 21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
|
キーワード | HDAC family / 口腔癌 / マイクロアレイ解析 / 腫瘍進展 / 腫瘍マーカー / マイクロアレイ / パスウェイ解析 / 遺伝子機能評価 |
研究概要 |
本研究の目的は、HDAC familyとその関連遺伝子群に関して、口腔癌における分子腫瘍マーカーや分子標的治療法の標的になりえるかどうかを検討することであった。 口腔癌、正常口腔粘膜組織に関してAffymetrix社製GeneChipを使用して、ヒト全遺伝子の発現状態を調べ、マイクロアレイ解析した。そのデータ・べースの中から、HDAC familyの発現状態を抽出したところ、HDAC familyのうち、サブタイプであるHDAC6遺伝子の発現変動が大きいことが示された。そこで、Real time PCR法を用いて、HDAC familyの各サブタイプの発現量を実際の臨床サンプル5種類で調べ、マイクロアレイの結果が正しいことを確認した。次に、HDAC6遺伝子はαチュブリンを脱アセチル化し、細胞の運動性を増加することが知られているため、癌の転移や浸潤への関与が推測されるため、実際の口腔癌100症例に関し、real time PCR法、Western blotting法、免疫組織染色法でmRNAレベルとタンパクレベルのHDAC6遺伝子の発現状態を調べた。その結果、mRNAの発現亢進は76%に、タンパクの発現亢進は54%に検出され、多くの口腔癌においてHDAC6遺伝子の発現亢進が起きていることが確認できた。さらに、この結果と臨床諸指標とを比較検討したところ、stage I,II群とstage III,IV群間に優位な相違を認め、HDAC6遺伝子は腫瘍の進展と関連があることが判明した。他のHDAC family遺伝子に関しても同様に臨床サンプルで検討を加えたが、安定して臨床諸指標と明らかな相関を示す遺伝子を同定できなかった。 以上の結果から、HDAC familyのうちのHDAC6遺伝子は口腔癌における腫瘍進展のマーカーとして診断に有用であることが示唆された。
|