研究課題
若手研究(A)
「急性期」「慢性期」の患者に対して実際どのようにキネステティクが安全であり有用であるか調査・検討した。また、慢性期・急性期病棟のスタッフへのキネステティクトレーニング方法やトレーニング暦について調査し、患者の受ける看護援助の安全性に関しても調査した。急性期・慢性期病棟のキネステティク実践を行っているスタッフのトレーニング暦や熟練度は、各施設によって異なることが明らかになった。基礎コースを受講後は、基本的に患者に安全に支援を実施しており、定期的に熟練したトレーナーやスタッフから継続的な指導を受けることができる施設もあった。患者への支援は、リウマチ患者、内部障害疾患患者、脳梗塞患者等の幅広い疾患の患者に応用していた。キネステティクに関する身体的な効果については、大規模スタディで明らかにしていく必要がある。急性期病棟、特にICU病棟ではキネステティクを習熟した施設ではすべての患者に応用することができており安全性の点においても、二次的な健康障害は報告されていなかった。呼吸循環動態についても、ICU病棟では動きの支援において常時モニターを用いて評価しており、医師との連携において呼吸循環動態の上限等を設定し、安全の範囲で動きの支援を行う施設もあった。慢性期患者に対するキネステティク支援において、特徴的な動作は限定されていず、患者個々の身体的・精神的・社会的状況に応じてあらゆる支援が実施されていることが明らかになった。動作解析においても、体位変換法や移乗、移送をはじめとする日常生活動作全般に関して疾患や患者状況に合わせて検討する必要があることが明らかになった。ドイツにおける慢性期病棟は、平均在院日数4〜7日のケースが多く、筋力・筋量、関節可動域、ADL評価、褥瘡発生など廃用症候群等の長期的な健康評価は困難であることが明らかとなった。キネステティクの長期的な健康効果に関する評価を実施する場合は、老人施設等の入院期間が数カ月から1年以上の入所者を対象に行う必要があることが実地調査によって明らかとなった。また、筋力・筋量、関節可動域は測定者によって測定誤差が大きいことから、他施設での評価を標準化するためには、測定者の教育や同一測定者が各施設で測定を実施するなどの研究デザインが必要である。実際ドイツ・スイス・オーストリアではキネステティク実施率が90%以上である老人施設を探すことは困難であり、母集団を増やすためには他施設において相対的な評価をしていく必要がある。慢性期患者や障害者にキネステティクを実施する際、看護師が難しいとする問題に疼痛や筋緊張があげられた。その他、脳梗塞や障害等により整形外科的な問題があった場合に、初学者は特にキネステティク概念を応用する力が必要とされることが明らかとなった。この問題のうち動作解析によって解析可能である左右の片麻痺の状況設定を行った動作解析の結果、麻痺を伴った場合に作り出される人の動きは、麻痺側を除いた頭部や各関節のムーブメント一つ一つが健常者よりも大きなスパイラル線形をみせることがあきらかとなった。3次元ボリュームでこの動作を再現すると、健常者よりも3次元空間を広く必要としていることが明らかとなった。
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