| 研究概要 |
本研究では,アドホック・ネットワークによって接続された移動端末間で,情報を共有・維持するために必要な通信プロトコルを開発し,その研究結果を車車間通信に応用することで,自動車間でのP2P情報発信・共有・維持システムを実現することを目的としている.また,直接通信できない車両間に対しても,サーバを介した間接的な通信により,情報共有を行う.本年度は,以下の課題を実施した.
・移動方向・速度など,自動車から取得可能な情報を用いた,状況適応的な通信プロトコルの開発.
・サーバを介した間接的情報共有システムの開発.
前者の課題では,GPSから取得可能な自動車の速度,移動方向などの情報を用いて自動車の状況を推定して,自動車が交差点を曲がっているか,減速しているかなどを把握ずる.それらの情報より,自動車が直進している場合はデータ通信の頻度を低くするなど,状況適応的に情報を取得するだめの通信制御手法を開発した.この手法により,定期的な通信処理に比較して約1/3のパケット数で適切に情報を送信することができた.また,後者の課題では,自動車間での情報共有を,サーバを介して行うシステムのプロトタイプを開発した.上記の通信制御手法により自動車の状態をサーバに送信し,サーバから情報を蓄積,配信することで,遠く離れた自動車間でも情報を共有することができた.また,サーバに情報を蓄積することで,運転後に自動車の運転状況を点検することができ,運転中・運転後両方の状況での情報提供が可能となった.
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