研究概要 |
初心者の描画プロセスを時系列のデータとして扱い、定量的な分析から導きだす描画傾向を描画支援として応用することを目指した.本研究の成果により,描画過程を詳細に分析することが可能となった. 1.ペイント系ソフトの開発 従来のアナログの描画形態を保ったまま描画内容をデジタル化する手法として,液晶ペンタブレットでの描画入力に特化したソフトを開発した.このソフトは,描画再生時間を任意に設定できる他,指定時間帯のみの再生も可能である.渡辺賢悟."でっさん"描画パート.Version 2.03, 2007-12-17.発信者(渡辺賢悟)info@mediatelier.net, Windows 2000/XR,ファイルサイズ:364KB. 2、解析ソフトの開発 1のソフトで取得した時間単位ごとの描画結果を静止画で取り出すことが可能である.描画部分をAdobe社のIllustrator CSを用いて領域ごとに色で分割指定し^<*1>,領域内の濃度の推移を取得した.竹内 亮太."でっさん"分析パート.Version 2.00, 2007-6-24.発信者(竹内亮太)s2rita@nifty.com, Windows 2000/XP,ファイルサイズ:244KB. 3.結果 参加者である美術大学生と工科大学生それぞれ5名が,9オンス紙コップとりんごをそれぞれ5回描画し,それらの描画時間の平均値と標準偏差,消去時間を求めた.どちらの参加者も,それぞれの項目で同じ数値を示す該当者がいた.特に,質感表現に傾向があり,時間の多くがこの表現に費やされることが時間単位ごとの静止画から把握できた.さらに,対象物を見ることに対する意識が異なることも描画結果のアンケートから示唆された.よって,形態の把握と平行して質感表現も描画支援する必要があると考える. 注.*1色指定は8箇所まで可.ドロー系ソフトであれば,Adobe社以外のソフトも使用可能.
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