研究課題/領域番号 |
18700124
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
メディア情報学・データベース
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
廣冨 哲也 島根大学, 総合理工学部, 講師 (70379692)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 意思伝達支援 / 適応型ユーザインタフェース / マルチメディアヒエログリフ / 拡大・代替コミュニケーション |
研究概要 |
言語の表出・受容が困難な障害者の意思伝達を支援するシステムの研究開発を目的とする。本システムの実現には、機器操作から伝達するメッセージの提示まで、各段階において、個別のニーズを把握し、ユーザインタフェース及びコンテンツの適応を行う必要がある。研究代表者は、昨年度までに多面的なユーザインタフェースを構築する「Multifaceted User Interface(MUI)」技術について研究開発を行った。本年度は、意思伝達支援の各段階にMUI技術を適用した。MUI技術では、適応に特異情報を用いる。特異情報は、利用者固有の情報であるプロファイル情報、ユーザの現在の活動や活動履歴に関する動作情報、場所情報、時聞情報、活動を行う動機に関する理由情報、および使用機器等の手段・方法に関する情報の少なくとも一つから構成される。まず、肢体不自由者に一般的に利用されているオートスキャン入力において、選択肢の位置及びユーザの操作履歴(反応時間、エラー等)から走査の時間間隔を推定し、入力の待ち時間を適応する手法を開発した。次に、場所・時間情報、過去の発話履歴、及び音声認識により捕捉する会話相手の発言内容(文型、単語等)を利用して意思伝達時に提示する選択肢の絞込みと入力回数の低減を行う手法を考案し、一部を実装した。選択肢として提示する単語は、その意味を表現する一つ以上のビューから成る「マルチメディア単語」である。特異情報に応じてビューを切り替えることにより、ユーザの能力・文化に応じたコンテンツを提示することができる。これらの単語を主語、述語、時間、場所、理由・条件、方法の観点で構造化したものを「マルチメディアヒエログリフ」と呼び、その意味を表す日本語や中国語の文等を組み合わせて提示する手法を開発した。さらに、肢体不自由児を対象としたユーザビリティテストを実施し、テストを行った事例においてMUI技術の有用性を確認した。
|