研究課題/領域番号 |
18700137
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能情報学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐久間 淳 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (90376963)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | クラスタリング / 遺伝的アルゴリズム / 多目的最適化 / カーネル / 混合正規分布 / 平均場近似 / EM / パレート解 / 局所尤度 / 確率モデル / 実数値GA |
研究概要 |
解を集団として保持しつつ探索する遺伝的アルゴリズムは、目的関数を複数有する多目的最適化において、パレート解集合を高精度で求めるのに適する手法として注目されている。得られたパレート解集合は目的関数空間上での均一さや広がりなどで評価される場合が多いが、工学的実用性の観点からは、種類の異なる解をなるべく多数発見する探索戦略(優良解網羅戦略)も重要である。種類の異なる解を類似度に基づき分類する基礎技術としてクラスタリングが知られており、この点から多目的最適化にクラスタリング技術の活用は有料解網羅戦略に不可欠である。今年度は特徴の異なる二種類のクラスタリングアルゴリズムに関する論文を二編発表した。一つは、実数値GAの交叉として知られる単峰性正規分布交叉をカーネル関数として利用することによって、混合正規分布をノンパラメトリック推定するEM法である。この手法はデータ次元数が高い場合において特に優れた性能を持つことが実験により確認された。またカーネル関数に交叉を用いているため、実数値GAによる最適化フェーズとEM法によるクラスタリングフェーズがシームレスに統合可能な点に特色がある。もう一つは、平均場近似の導入により、比較的分離度の高い混合正規分布を高速に推定するコンポーネントワイズEM法である。この手法は、特に混合数が高い場合において、スケーラビリティに優れることが実験により確認された。また混合数決定フェーズが不要である点に特色がある。 大域的パレート解の獲得を困難にする性質の一つに局所パレート解の存在が知られている。多目的GAにおけるその対処法として、単目的GAと多目的GAを段階的に組み合わせるSolidEMOに関する論文を発表した。困難な多目的最適化の実問題として知られるレンズ設計問題においてSolidEMOは多様で優れた解を発見することが確認できた。SolidEMOで類似・非類似の判断をk近傍で行っており、クラスタリング法と組み合わせることにより効率比・性能上が期待でき、この方向での発展は今後の課題である。
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