研究概要 |
平成19年度は下記の2項目について検討した. 1.指紋認証 平成18年度に開発した指紋照合アルゴリズムの結果に基づいて,位相限定相関法を用いた照合と特徴点を用いた照合を融合させたシステムの開発を検討した.開発したシステムは,(i)指紋の種類を調べ,(ii)特徴点を用いた照合を行い,(iii)POCを用いた照合を行う.それぞれのステップで本人であるかの判定を加えることで,計算時間の短縮を図った.一般的に性能評価に用いられている指紋画像データベースおよび指紋センサを用いて作成したデータベースを使用して性能評価実験を行い,異なるマッチングアルゴリズムを組み合わせることで認証性能が向上することを確認した. 2.虹彩認証 平成18年度に開発した虹彩照合アルゴリズムの実用化に向けて,ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いた虹彩認証装置の開発を検討した.その中で特に,鮮明な虹彩画像を安定して採取できる手法を検討した.虹彩を撮影する際に照明として使われるLEDが瞳孔に反射するので,その反射を基準として利用することで,ぼけのない鮮明な虹彩画像を安定して取得することができる.また,開発した照合アルゴリズムがこの装置でも十分な性能を有していることを評価するために,この装置を使って膨大な量の虹彩画像を採取し,虹彩画像データベースを作成した.そして,作成したデータベースを使って認証装置の性能を評価し,個人認証システムとして十分な性能を有することを確認した.
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