研究課題/領域番号 |
18700178
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知覚情報処理・知能ロボティクス
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下ノ村 和弘 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師(常勤) (80397679)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アナログ集積回路 / ロボットビジョン / 視覚情報処理 |
研究概要 |
生体の視覚系は、長年の進化の過程で獲得された独自のアーキテクチャを用いて、複雑な視覚情報を極めて効率的に処理している。この脳視覚系に学ぶことは、新しい高機能ロボットビジョンをデザインするための重要なアプローチのひとつである。本研究では、生体視覚系のテクスチャ弁別計算モデルを、複数のアナログ集積回路により階層的かつ実時間で計算するマルチチップ視覚システムを構築している。昨年度までに、100×100 画素シリコン網膜と単純型細胞チップを組み合わせて、入力画像の特定の方位および空間周波数の成分を抽出する視覚システムを構築した。この出力を用いて、今年度は、テクスチャ弁別計算をリアルタイムで実行する回路をFPGAにより実装した。このモデルは、異なる領域の境界をそれらのテクスチャの方位の違いを用いて検出する。構築した視覚システムを用いてテクスチャ弁別実験を行い、テクスチャの方位の違いにより規定された中央の円形領域の内部と外部が、それぞれ輝度値の違う領域として実時間で弁別できた。このような出力に対してエッジ検出を行えば領域の境界を検出することができる。また、本システムは、網膜、一次視覚野単純型細胞、複雑型細胞と、階層的に脳視覚経路における神経細胞層の応答を模擬するので、自然画像に対するこれらの応答をリアルタイムに再現できる。したがって、ロボットビジョンとしての工学的応用の側面に加えて、構成論的手法による視覚計算メカニズムの解明という神経科学の立場からも、大きな学術的意味をもつ。本システムを用いて、さらに高次の視覚細胞を構築し、その機能的役割を探っていくことも今後の課題である。
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