研究概要 |
本研究課題では,生活習慣病治療のための自己管理支援システム(わがままん[○!R])内のコメント生成部に対して,患者の感情およびむ理状態を考慮した形でコメントやアドバイスを提示できるような手法を構築することを目指した.その中でも,患者の感情や心理状態を推測する処理について主に研究を進めた.まず,感情生起処理に必要となる好感度情報について,Web文書などの大規模コーパスから物概念の持つ属性やイメージを収集し,その情報をもとにその物概念に対する一般的なポジティブ/ネガティブイ.メージを自動的に学習する手法を提案した.また,より多様な感情を生起できるようにするため,元事象からの推論処理に関する手法も提案した.具体的にはファジィ認知マップをベースにテンプレート形式の概念推論規則を作成し,深層格フレーム表現で記述された入力概念から,複数の出力概念を生成する.また,より深く患者の思考状態を理解するために,認知情報と言語情報を結合し,勘や思考のショートカット,また勘違いなどを再現できる認知モデルを提案し,そこからの感情抽出についても手法を提案した.現在は,患者からの訴えを解析し,自己組織化マップを用いてその悩みのジャンルを判別する手法や,その判別した悩みジャンルの観点からの患者の感情の推測処理について研究しており,平成20年度に学会誌に投稿する予定である.今後の研究予定としては,患者の感情や悩み内容を考慮したシステムの応答処理および,わがままん[○!R]システムへのこれらの手法の実装を予定している.
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