研究課題/領域番号 |
18700304
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
明石 馨 新潟大学, 脳研究所, 科研費研究員 (30374713)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 脳・神経 / NMDA受容体 / シナプス / マウス |
研究概要 |
海馬CA3選択的NMDA受容体GluRε2KOマウス(CA3-GluRε2KO)では海馬CA3シナプスにおいてNMDA受容体が機能する上で必須な分子であると分かって来た。この現象の分子背景を明らかにする目的で本研究を進めてきた。その結果、CA3-GluRε2KOマウスのCA3ホモジネートでは、ε1が野生型マウスと変化がないにも関らず、全てのCA3シナプスにおいてNMDA受容体応答が消失していた。ε1/ζ1のシナプスへの局在の変化を想定し、免疫電顕を行ったがζ1のシグナルは減少していたものの(野生型マウスの1/3程度)ε1のシグナルには変化がなく、ε1/ζ1はシナプス部位に存在していた。ところがCA3のPSD画分では、ε1、PSD-95が大きく減少していた(いずれも野生型マウスの1/2程度)。この減少はPSD画分抽出時に使用するTritonX-100に対しε1、PSD-95といった分子が脆弱になっていることを示唆している。それに対しε1KOマウスのPSD画分中のε2には変化が無いことから、GluRε2KO特異的にCA3シナプスのPSD蛋白複合体の構造が変化している可能性が示唆された。さらにシナプス骨格系の分子として代表的なactinの状態を調べたところ、GluRε2KOマウスにおいて、CA3のシナプトソーム画分において全actin量に変化はないものの、F-actinの量が減少していた。これらのことから、海馬CA3シナプスにおいてGluRε2はNMDA受容体が機能を持つ上で必須なサブユニットであると同時に、GluRε2を含むNMDA受容体シグナルがPSD蛋白複合体構造の安定性に関与している可能性があり、そのPSD蛋白複合体構造の安定性がε1/ζ1で構成されるNMDA受容体が活性を持つ為にも必要な事であることがわかった。現在本研究結果についての論文を投稿準備中である。
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