研究課題/領域番号 |
18700316
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川口 真也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00378530)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | GABA(A)受容体 / GABARAP / シナプス可塑性 / 抑制性シナプス / 微小管 / プルキンエ細胞 |
研究概要 |
小脳プルキンエ細胞に形成される抑制性シナプスでは、プルキンエ細胞が強く脱分極するとGABA(A)受容体を介する応答が長時間にわたり増強される。本研究は、その脱分極依存性増強において、GABA(A)受容体応答の増強が受容体の特性変化によるのか、或いは細胞膜表面の受容体数が増加することによるのかを明らかにすることを目的としている。平成18年度における研究により、GABA(A)受容体および微小管と結合するGABARAP分子が、増強の発現に重要な役割を果たす可能性が示唆された。そこで、平成19年度はGABARAPがいかにしてGABA(A)受容体応答を増強するかを詳細に明らかにするために、分子生物学的手法、電気生理学的手法および蛍光タンパク質を用いた蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)イメージングを組み合わせて培養プルキンエ細胞に適用し、研究を展開した。FRET実験により、プルキンエ細胞が脱分極するとリン酸化酵素CaMKIIの活性化を介して、GABARAP分子のコンフォメーションが持続的に変化することが分かった。そして、脱分極依存的な構造変化の感受性を喪失した変異GABARAPを分子生物学的に作出し、GABA(A)受容体応答の増強にGABARAPのコンフォメーション変化が必須であることを明らかにした。また、免疫細胞化学法により、脱分極やGABARAPの活性変化に応じて、プルキンエ細胞の細胞膜上のGABA(A)受容体の局在や量が変化しないことが示唆された。以上の結果から、脱分極に依存して構造変化したGABARAP分子がGABA(A)受容体に直接結合し、個々の受容体の機能特性を変化させることにより抑制性シナプス伝達の増強がもたらされると考えられる。
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