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一酸化窒素による神経軸索投射経路の記憶機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18700332
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 神経科学一般
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

戸島 拓郎  理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, 基礎科学特別研究員 (00373332)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード神経成長円錐 / 軸索ガイダンス / 一酸化窒素 / cGMP / 一酸化窒素合成酵素 / カルシウム / ノックアウトマウス / ケージド化合物光解離法
研究概要

発生中の神経軸索先端部に現れる成長円錐は,外界の微小環境を受容しその運動性を臨機応変に変化させることで軸索を正確な標的へと牽引する。生理活性物質である一酸化窒素は,成熟脳における学習・記憶等の脳機能に深く関与していることがよく知られているが,神経発生期における役割については不明の点が多い。本研究では,成長円錐の旋回運動に対する一酸化窒素の役割を解明し,神経軸索投射経路を細胞レベルで記憶する分子機構の一端を明らかにすることを目的としている。平成18年度までの研究では,ケージドカルシウム光解離法により誘発された成長円錐の反発性旋回運動に対する一酸化窒素-cGMP経路の関与を,各種薬剤および遺伝子欠損マウスを用いて明らかにした。
平成19年度は,一酸化窒素感受性蛍光色素DAFを用いて,鶏胚培養脊髄後根神経節細胞の成長円錐における一酸化窒素の発生を解析した。我々は過去の研究により,成長円錐の旋回方向の決定における基質依存性を明らかにしている。すなわち,ラミニン基質上に培養した成長円錐は,成長円錐局所カルシウムシグナルに対して反発性旋回を呈し,一方Ll基質上の成長円錐は誘引性旋回を呈する。そこでラミニンおよびL1基質上の成長円錐をDAFにより蛍光染色したところ,ラミニン基質上の成長円錐では強い蛍光が検出されたが,その一方でL1基質上ではほとんど検出されなかった。すなわち,反発性旋回誘発条件下において実際に一酸化窒素が成長円錐内で発生していることが証明された。平成18年度および19年度の結果から,発生期の脊髄後根神経節細胞の反発性軸索ガイダンスには,一酸化窒素-cGMP経路の活性化が必要であることが証明された。さらに一酸化窒素-cGMP経路は,cAMP経路と拮抗的に働くことで成長円錐の旋回方向(誘引/反発)の決定に関与することが強く示唆された。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] カルシウムシグナルによる軸索ガイダンスの制御機構2008

    • 著者名/発表者名
      秋山博紀
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 53

      ページ: 157-163

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] Attractive axon guidance involves asymmetric membrane transport and exocytosis in the growth cone2007

    • 著者名/発表者名
      Tojima T et al.
    • 雑誌名

      Nature Neuroscience 10

      ページ: 58-66

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] 一酸化窒素による神経軸索ガイダンスの制御機構2007

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎
    • 学会等名
      第27回神経組織培養研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-10-13
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [図書] 神経軸索の伸長とガイダンスを制御する分子機序, 脳科学シリーズ/脳の発生と発達

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎
    • 出版者
      東京大学出版会(印刷中)
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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