研究課題
若手研究(B)
これまでの研究からRunx転写因子ファミリーは発生・分化過程におけるマスター遺伝子とも言える極めて重要な役割を果たしており、特にRunx3は固有感覚性後根神経節(DRG)ニューロンの軸索投射に必須であることが示されている。しかしながらRunx3の神経発生における機能は不明な点が多い。本研究では脳神経節におけるRunx3の機能を明らかにすることを目的とする。昨年度、新生児Runx3欠損マウス三叉神経節において神経栄養因子受容体TrkB陽性細胞数が増加し、TrkC陽性細胞数,神経ペプチドSomatostatin陽性細胞が増加していることを明らかにした。本年度は,この変化が発生過程のどの時期から認められるかを調べ、胎生13.5日目から、TrkB,TrkC陽性細胞数が新生児期と同様の変化を示していることを明らかにした。一方、Somatostatin陽性細胞数に有意な差は認められなかった。また、胎生12.5および13.5日目Runx3欠損マウスでの抗TrkC抗体を用いたホールマウント免疫染色法により三叉神経節からの上顎領域への神経投射線維においてTrkC免疫陽性反応の減弱が認められた。また、抗ニューロフィラメント抗体を用いたホールマウント免疫染色法では顔神経領域への神経繊維投射において野生型と比べRunx3欠損マウスで一部投射の異常が観察された。以上の結果はRunx3が三叉神経節神経細胞の発生および軸索投射に発生の早い時期から関与していることを示唆する。
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Development (In press)
Developmental Biology 303・2
ページ: 663-674