研究課題/領域番号 |
18700340
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2007) 名古屋大学 (2006) |
研究代表者 |
落合 和 理化学研究所, 大脳皮質発生研究チーム, 研究員 (40381008)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 神経前駆細胞 / 細胞周期 / エレベーター運動 / 微小管 / ニューロン |
研究概要 |
胎生期の神経前駆細胞の細胞周期依存的な核移動(エレベーター運動)のメカニズムの一端を解明するために以下の研究を行った。細胞運動において重要な役割を果たしている微小管をその先端(+端)部で制御している分子として微小管集積因子(+TIPs)が知られており、神経前駆細胞のエレベーター運動における+TIPsの挙動を脳スライス培養系を用いてライブ観察を行った。+TIPsが蛍光タンパク質とともに発現するベクターを生体内マウスの胎生13.5日目のマウス脳室にインジェクションし、子宮内エレクトロポレーション法で神経前駆細胞の+TIPsラベリングを行い、翌日まで母体内で、遺伝子発現を待ち、脳スライスを作製し、神経前駆細胞のエレベーター運動の可視化を試みた。結果、エレクトロポレーションでは蛍光タンパク質が一カ所に集中して発現(散発性がない)し、隣接する細胞の蛍光の光が干渉し、一個の神経前駆細胞の+TIPsの動きを捉えるには共焦点顕微鏡(非所有)によるタイムラプス観察の必要性が生じた。そこで、子宮内の胎児脳室にポリエチレンイミン試薬を用いて発現ベクターをトランスフェクションすることで神経前駆細胞を散発的にラベリングすることで、非共焦点顕微鏡による観察におけるスライス培養のライブ観察を可能にすることができ、神経前駆細胞のG1からS期にかけての一つ局面で+TIPs特有のコメット状の動きを捉えることができた。さらに、この方法を用いて共焦点顕微鏡(共同研究)を用いた観察においても神経前駆細胞における+TIPsの挙動が捉えることができた。この方法は従来、用いられているエレクトロポレーションによる胎児への影響や発現ベクターの局所導入による人為的な変化を観察するような結果とは違い、毒性が低く、より生体内に近い状態で観察を行えていると考えられ、生体における分子イメージングにおいて非常に有用な手法である。
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