研究課題/領域番号 |
18700345
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
西村 幸子 理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 研究員 (10373341)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 神経回路 / 樹状突起 / シナプス / 膜タンパク質 / マウス / ノックアウト / 軸索投射 / シナプス形成 / 遺伝子 |
研究概要 |
神経細胞は多様な情報を受容し統合するが、それらの情報は整然と仕分けされている。つまり、異なる脳領域に由来し、異なる情報を伝達する軸索群は、標的細胞の樹状突起の中でも限られた特定の区画に結合することにより、複数の情報を混乱させることなく適切に処理することを可能にしている。我々はこれまでに、異なる軸索上に分布する膜タンパク質「netrin-G1およびnetrin-G2」が、樹状突起側に発現する受容体分子「NGL-1およびNGL-2」を介して、それぞれ特定の樹状突起内区画の性質を決定していることを明らかにした。本研究では、netrin-G/NGL相互作用により規定されるシナプス機能を多面的に解析した。(1)前年度までに受容体NGLsの下流分子として複数のポストシナプス関連分子を同定した。本年度はそれらの一部について、netrin-G1およびnetrin-G2変異マウス脳切片での分布を解析した。ここまでの結果はPNAS誌にて発表した。(2)変異マウスの海馬スライス標本を用いて電気生理学的解析を実施した。netrin-G1およびnetrin-G2変異マウスにおいて、それぞれnetrin-G1あるいはnetrin-G2依存的な神経回路特異的に、シナプス可塑性の異常が検出された。(3)すでにnetrin-G1およびnetrin-G2変異マウスはそれぞれ特徴的な行動異常を示すことを観察している。前年度に系統の樹立に成功したNGL-2変異マウスを用いて、本年度は行動学的解析を実施した。その結果、複数の試験項目においてnetrin-G2変異マウスの表現型と極めて一致する結果が得られ、netrin-G2/NGL-2相互作用が特定の神経回路における情報処理を担うことが示された。(4)電気生理学的、行動学的表現型の細胞基盤を探るため、海馬ニューロン各層のスパイン(シナプス)密度および形態解析を実施した。ゴルジ染色法および電子顕微鏡解析による定量を進行中である。
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