研究課題/領域番号 |
18700358
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植村 健 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00372368)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | グルタミン酸受容体 / δ2サブユニット / 細胞質内領域 / 登上線維 / 小脳神経回路網形成 |
研究概要 |
小脳プルキンエ細胞において生理的に重要な役割を果たしているグルタミン酸受容体(GluR)δ2は小脳シナプス形成・安定化、記憶・学習の分子機構に重要な役割を果たしている。本研究ではGluRδ2が担う重要な生理的役割の分子機構を解明することが目的である。GluRδ2のC末端細胞質内領域には2ケ所のPDZドメイン結合領域が見出されている。一つは後シナプス肥厚部(PSD)の足場蛋白Shankの結合するC末端細胞質内領域の中間に位置する領域(S segment)で、もう一つはDelphilin, PTPMEG等のPSD足場蛋白が結合する最もC末端の部分(T site)である。遺伝子ターゲッティング法によりそれぞれの領域を欠失させたマウス作製し、それぞれの領域の果たす役割を生化学、解剖学、電気生理学的手法により解析した。結果として、T siteは小脳LTD誘導と登上線維支配領域調整に必須であること。一方、T siteはGluRδ2のシナプス部位への局在、平行線維-プルキンエ細胞シナプス形成、幼弱期にみられる余剰な登上線維の除去過程には必須ではないことを見出した。また、S segment欠損マウスの生化学的、行動学的解析からS SegmentはGluRδ2のシナプス部位への局在に重要な領域であることを見いだした。さらに、S segmentは運動協調には必要ないことを示唆する結果を得た。これらの結果から、GluRδ2が担う多岐にわたる生理的役割はGluRδ2の異なる領域でそれぞれ調整されていることが明らかとなった。
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