研究課題/領域番号 |
18700377
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
赤尾 鉄平 北海道大学, 大学院・医学研究科, 博士研究員 (60399821)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 滑動性追跡眼球運動 / 網膜速度誤差情報 / 視標運動 / 予測値 / 遅延時間 / 前頭眼野 / 補足眼野 / MST野 / 滑動性眼球運動 / 霊長類 / 中心窩 / 作業記憶 / 視覚情報 / 予測 |
研究概要 |
網膜速度誤差情報を眼球運動信号へ変換することにより滑動性追跡眼球運動が実行される。この運動中に連続的に視覚情報を取り込むためには、対象の動きに合わせて反応時間の遅れを補償することが必要になる。このためには視標運動の予測値が必要であるが、予測信号形成の脳内機構は未だに不明である。本研究では、視標運動の呈示、その作業記憶、追跡眼球運動の準備と実行の各局面を分離させた課題をニホンサルに訓練した。サルが中央の静止点を固視中に、第1cueとして、後で要求する追跡眼球運動の方向をランダムドットの動く方向で知らせた。第1遅延時間後、第2cueで、追跡運動をするかしないかを指示し、第2遅延時間後、静止スポットを、cueで呈示された方向と逆方向の2方向に分けて同時に一定速度で動かした。第1と第2cueの指示に従ってサルが課題を行うことにより報酬を与えた。この課題実行中に、MST野から35個、補足眼野から80個、前頭眼野から200個の課題関連ニューロンを記録した。MST野ニューロンは、第1cue提示期間中、および最後の運動実行中に発射したが、第1および第2遅延期間中には応答しなかった。前頭眼野滑動性追跡眼球運動ニューロンの約1/3は、第1cueに応答したが、その作業記憶を要求する第1遅延期間中に応答は維持されず、第2cue以降、再度、発火し、その応答は最後の運動方向に対応して方向特異性を持った応答であった。補足眼野ニューロンの約1/3は、第2cueに応答し、特に、追跡運動をしないという指示に強く応答し、その応答は、サルが固視を続ける間中、持続した。また、補足眼野には、第1遅延期間中に応答するニューロンも記録された。以上の結果は、この課題の実行において、MST野、補足眼野と前頭眼野の3領域に役割分担があること、さらに、視標運動の予測値の形成には、前頭眼野と補足眼野の両者が関わることを示唆する。
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