研究課題/領域番号 |
18700390
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡 千晶 京都大学, 医学研究科, 産学官連携助教 (60378669)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 心筋細胞 / 数理モデル / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
心筋ギャップジャンクションチャネルは細胞内カルシウムの生理的濃度範囲に応答して閉じることが実験的に確かめられており、この応答に対するチャネル動態を明らかにすることは、細胞内Ca動態変化と興奮伝導さらに心臓ポンプ機能の関係を考察するため必要不可欠である。はじめに、ギャップジャンクションのカルシウム依存性を、パッチクランプ2本電極法により測定することを試みた。連結細胞の一方を電位固定し、細胞外Caを任意濃度で還流後、もう一方の細胞膜をレーザービームで瞬時に穿孔し、ギャップジャンクションコンダクタンスのCa応答を記録した。しかしコンダクタンス変化のCa応答に一貫性は見られず、一定の成果は得られなかった。そこで数理学的アプローチをさらに発展させることにした。病態時Ca動態変化と興奮伝導、心臓ポンプ機能変化の関係を考察するには、筋小胞体Caポンプ(SERCA)モデルの改良が必要不可欠であった。なぜなら、病態時Ca動態変化とエネルギー枯渇との関連性が近年注目されているが、細胞Ca調整に最も重要なSERCAのエネルギー依存性がまったく考慮されていないためである。新規開発したSERCAモデルはCa依存性のほか、ATP、ADP、Pi依存性、2番目のATP結合の効果、CaとATPによるEP生成速度の違いに関する実験データが再現可能なよう構築した。包括的心筋細胞モデルに組み込むと、SERCAを介するCaフラックスのピークは、ライアノジンチャネルからのCa放出のタイミングから遅れがあることが予測された。しかし、SERCAのピークを遅らせると細胞内Caを上昇させるリスクを併せ持つことも示唆された。本細胞モデルを用いることで、病態時収縮機能低下や興奮伝播異常のメカニズム解析の進展が期待される。
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