研究課題/領域番号 |
18700546
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用健康科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 (2007) 帝京大学 (2006) |
研究代表者 |
石川 ひろの 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40384846)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヘルスリテラシー / 医療コミュニケーション / 患者-医師関係 / 健康情報 / 患者参加 / 患者中心の医療 / エンパワーメント / 自己効力感 |
研究概要 |
近年、患者本位の医療を目指した改革が提唱される中、医療への患者の主体的な参加が重視されてきている。とりわけ、慢性疾患においては、患者自身が自分の健康状態や治療方法を理解し、医療者との協働関係のもと適切な自己管理をしていくことが必要とされる。一方、マスメディア、インターネットの普及など、保健医療に関する情報が氾濫する中、患者の「健康に関する情報を活用する能力」(ヘルスリテラシー)が、医療への患者の主体的な参加を促し、健康状態の改善にもつながる重要な要因として注目を集めている。本研究は、ヘルスリテラシーの向上を通じて患者本位の医療の実現を促進する患者教育・介入プログラムの開発に向けた、理論および概念の整理と基礎的データの収集を目指した。本年度は、昨年度、文献レビューおよび予備調査の結果をもとに、慢性疾患をもつ患者において、ヘルスリテラシーが診療でのコミュニケーションにおける患者参加および患者アウトカムに与える影響を検討することを目的とした。 帝京大学附属病院の内科外来において、再診の糖尿病患者157名を対象に、自記式質問紙および診察場面の会話の録音を含む調査を行った。会話の録音は、Roter Interaction Analysis Systemを用いて分析した。新たに作成したヘルスリテラシーの測定尺度について、一定の信頼性および妥当性が確認された。患者のヘルスリテラシーは、患者の年齢、学歴などの属性によって異なり、診察における医師、患者のコミュニケーション行動と関連を示すとともに、患者による医師の説明への満足度、薬についての理解、糖尿病に関する知識、疾病管理の自己効力感など、様々なアウトカムと関連をもつことが明らかになった。今後、患者本位の医療の実現を目指した情報提供、患者教育プログラムの開発を考える上で、ヘルスリテラシーが重要な概念になることが期待される。
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