研究概要 |
本研究は,一定の目的をもった実験研究の一連の構成を意味する実験プログラムという観点から赤外部輻射(熱輻射)実験を分析し,19世紀末ドイツの実験研究には,分光学研究からの流れを汲む実験プログラム,標準研究からの流れを汲む実験プログラム,赤外線測定からの流れを汲む実験プログラムが存在し,実験の目的,機器,機器構成(機器の組み合わせ)を介して実験プログラム間の相互交流が生まれ,その交流を通して,広範で高精度の実験データが1900年に提出されたことを明らかにした.また,19世紀末の赤外部輻射実験への貢献の大きかったドイツとアメリカの貢献の仕方の違いについても明らかにした.
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