研究課題/領域番号 |
18710025
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター (2007) 独立行政法人土木研究所 (2006) |
研究代表者 |
亀田 豊 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任 (60397081)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 重金属 / アブラハヤ / 河川水 / 生態影響 / 濃度 / 環境質定量化・予測 / 環境分析 / 生態系修復・整備 / 生態リスクアセスメント / 分子生物学 |
研究概要 |
「研究の目的」 平成15年に国内では初めて、水生生物の保全を目的とした河川水中亜鉛の環境基準が設定された。しかし、河川水中亜鉛が水生生物に与える生態影響やそのメカニズムについては知見が非常に不足している。特に国内に生息している魚類に与える河川水中の亜鉛の生態毒性に関する信頼度の高い知見はない。そこで本研究では国内に広く生息するアブラハヤに対する溶存態亜鉛の生態毒性について複数のエンドポイントを用いて毒性を横断的に評価するとともに、毒性メカニズムの推定も試みた。 「実験方法」 室内暴露試験により、アブラハヤの成魚にOppb〜720ppb(5段階)の溶存態亜鉛を30日間暴露させ、暴露期間中のLiver Somatic Index、各組織(肝臓、腎臓、ヒレ、エラ及び血液)中のメタロチオネイン濃度、芳香族タンパク質濃度及び亜鉛蓄積濃度を測定した。メタロチオネインは水銀を用いたアッセイ方法をアブラハヤ用に改良し、分析を行った。 「結果及び考察」 30日間溶存態亜鉛を暴露させたが、個体は死亡しなかった。また、肝臓中の亜鉛蓄積濃度についても暴露系との有意な差は見られなかった。しかし、LSIは720ppbの実験系で対照系に比べ有意に低下した。一方、230ppbの暴露系においては肝臓中芳香族タンパク質に対するメタロチオネイン濃度の割合が暴露の経過とともに増加した。このことから230ppbの亜鉛により肝臓中のタンパク質組成が重金属毒性を抑制する方向にシフトしていることが明らかとなった。さらに、230ppbの暴露系ではメタロチオネイン濃度に対する亜鉛の濃度比の増加に伴うLSIの減少が見られた。このことから亜鉛230ppbでメタロチオネインによる亜鉛毒性の抑制が十分に行われておらず、肝臓の重量といった高度な生態影響を及ぼしている可能性が示唆された。 なお、上記結果を整理すると共に論文を現在執筆している。
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