研究課題/領域番号 |
18710069
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
山村 茂樹 国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 研究員 (90414391)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 土壌汚染 / バイオレメディエーション / 嫌気性微生物 / 腐植物質 / キノン / 還元 |
研究概要 |
微生物による腐植物質の還元は、環境中における汚染物質の消長に影響を及ぼしていることが示唆されている。そのため、その特性や分布を明確に把握し、有効に活用することが、効率の良い汚染浄化への戦略のひとつとして有望である。そこで、本研究では、微生物による腐植物質還元作用を利用した新たなバイオスティミュレーションストラテジー作出のための基礎データを取得することを目的としている。 国内の複数のサイトから採取した土壌・底泥サンプルを植種源として、昨年度獲得した分離菌株の詳細な系統解析を行った。結果、腐植物質還元細菌は多様な細菌種に分類され、なかでもEnterobacteriaceae科、Bacillus属、Paenibacillus属、Clostridium属に分類されるものが多いことが明らかとなった。また、分離菌株はほとんどが既知の細菌種である可能性が高く、各分離源から複数の細菌株を獲得できたことから、同細菌が環境中で普遍的に存在していることが示された。分離菌株はすべて、フミン酸及びそのキノン部分のモデル物質であるantharaquinone-2,6-disulfonate(AQDS)の安定した還元能を有しており、さらに最適条件下における培養実験から、自身が還元・分解能を持たない汚染物質に対しても、フミン酸もしくはAQDSを共存させることで浄化能力を発揮できることが示唆された。本研究の実施により、腐植物質還元細菌を積極的に利用することによって、効率の良いバイオスティミュレーションプロセスを構築できる可能性が示され、その礎となる知見を得ることができた。
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