研究課題/領域番号 |
18710071
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
|
研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
箱田 照幸 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70354933)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 化学工学 / 環境技術 / 触媒・化学プロセス / 大気汚染防止・浄化 / 放射線、X線、粒子線 |
研究概要 |
本計画では、触媒の温度上昇や電場を生じず、かつ二次電子の生成密度が制御できるエネルギー幅の狭い初期平均エネルギーが数十keVの精密に制御された電子ビームを用いて、放電誘起触媒として期待されるTiO_2及びPt触媒を用い、温度制御下の空気中で生成した二次電子及びオゾンによる触媒表面の活性化現象を、触媒表面に吸着した芳香族有機物やその分解生成物の有機性エアロゾルの減少量及び生成する二酸化炭素量から明らかにする。 TiO_2系触媒については、昨年度実施したTiO_2やAg担時TiO_2に加えて、電子親和力の大きなPt、 Pd、 Auなどの金属を同一濃度で担持した触媒について検討した。触媒通過後ガス中成分の定量を行った結果、いずれの触媒の場合でも、電子ビームが直接入射しない位置に触媒を設置した条件で、分解生成物の二酸化炭素への変換量が大きくなること、他の金属に比べてAgを担時した場合にこの変換率が最大となることを見出した。これら担持金属には、オゾンを分解して分解生成物の分解に有効な活性酸素を生成する効果と、分解生成物の触媒表面への吸着を促進する効果があることを実験的に明らかにし、さらにAgはオゾン分解能力がPtに比べて低いものの分解生成物の吸着能力が高く、この2つの相乗効果により分解生成物の高分解活性が得られることを明らかにした。 また、Pt等の金属が担持されなくても電子ビーム照射下において触媒活性を有するAl_2O_3系吸着剤については、SiO_2の含有量の異なるAl_2O_3を用いた。その結果、分解生成物の分解活性(二酸化炭素の生成量)はSiO_2の含有量にあまり依存せず、バンドギャップの大きな金属酸化物であれば分解活性を発現できることを明らかにした。これらの成果から、低温においてTiO_2及びPt触媒などの触媒活性を最大限に引き出せる触媒条件が明らかとなった。
|