研究課題/領域番号 |
18710092
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡林 潤 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70361508)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 走査トンネル顕微鏡 / 分子線エピタキシー / 初期成長過程 / 磁性ナノ構造 |
研究概要 |
本研究では、分子線エピタキシー(MBE)装置と走査トンネル顕微鏡(STM)を装備した表面分析チェンバーを超高真空環境で結合した装置を駆使することにより、新しいスピントロニクス材料・構造の創製とそのデバイス応用の可能性を探ることを目的としている。中でも、半導体GaAsと格子整合性の良い強磁性体MnAsに着目し、安定な六方晶ではなく、ハーフメタルと予測されている4配位閃亜鉛鉱型結晶の作製を試みた。 MnAsをナノ構造で作製した場合に閃亜鉛鉱型結晶構造をとることがいくつか報告されているが、GaA表面を硫黄終端化した表面へのMnAs作製による閃亜鉛鉱型ナノドットの作製に着目した。硫化アンモニウム溶液を用いたエッチングによる硫黄終端では、原子レベルで平坦な硫黄表面を作製することが難しいため、GaAs表面への硫黄蒸着システムを作製した。これによtり、2×6再構成表面をもつ平坦な硫黄終端面を作製することに成功し、そのSTM観測をおこなった。そして、その上へのMnAs蒸着を行い、硫黄終端面上へのMnAsは2 MLまで平坦な閃亜鉛鉱方構造を保った電子線回折パターンが得られた。 STM観測においても、溶液処理により作製場合とMnAsナノドット形成が異なる結果となった。 MnAs 1ML以下の初期成長においてGa原子の移動を伴いc(4×4)再構成表面のAs-Gaダイマー構造からAs-Asダイマー構造への相転移により、被服率が蒸着量を上回る現象を確認しているが、その起源を解明するために、GaAs上へのMn金属の蒸着を行った。その結果、Mn蒸着の場合には、Asの表面原子の不足のため、乱れたAs-Asダイマー構造への転移と、その後のMnGa的な金属結合を示す表面が第1層目に作製されることを観測した。
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