研究課題/領域番号 |
18710099
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺村 裕治 京都大学, 工学研究科, 助教 (10365421)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 表面プラズモン共鳴(SPR) / センサー / 近接場光 / 平面二分子膜 / アレイ / 抗原抗体反応 |
研究概要 |
本研究では、二分子膜に細胞から抽出した膜蛋白質(レセプター)を導入し再構成した模擬細胞チップを作製し、近接場光(表面プラズモン共鳴、光導波路)を利用して非標識かつリアルタイムにてレセプター上で起きる反応(薬物のリン酸化阻害反応など)あるいは細胞内の活性化マーカーを計測し、創薬スクリーニングへ応用展開することを目的としている。 昨年度では、表面プラズモン共鳴(SPR)を利用して、金薄膜表面上でおきる反応(抗原・抗体反応を中心に)を効果的に検出できるシステムの構築に取り組み、シグナル増幅が可能になる手法の開発に成功した。本年度では、フォトリソグラフィー技術を用いて、細胞を模倣した空間を作成することを目指し、マイクロ流路あるいはチップの作成に取り組んだ。ネガ型エポキシ樹脂ベースのフォトレジストを利用し、紫外線照射装置(現有)により金蒸着基板上に様々なパターンを形成させた。露出している金蒸着表面上へ末端にカルボン酸を有する自己組織化単分子(SAM)膜を形成させ、活性化エステル化法により抗体を固定化した。金蒸着基板としては、あらかじめフォトマスクによりパターン化した金基板も作成し、比較した。パターン化した金蒸着表面では、金表面でのプラズモン共鳴が起こりにくく、シグナルのS/N比が低いことが分かった。これは、フォトレジストと組み合わせることで、パターン化した金の膜厚が変化し、最適膜厚である49nmよりも小さくなるためであった。また、細胞の脂質二重層を模倣するために、金表面に平面二分子膜を形成させた。卵黄レシチンからなるリポソームをそのまま基板上へ添加し、吸着させて崩壊させることで平面二分子膜形成させ、模擬細胞アレイの作製を行った。SPRシグナルからおよそ5nmの有機層が形成できたことから、平面二分子膜の形成が確認でき、細胞模倣基板を作成することができた。
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