研究課題/領域番号 |
18710104
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
田中 啓文 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助教 (90373191)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ナノデバイス / カーボンナノチューブ / ナノ配線 / 界面効果 / 点接触電流イメージング / PCI-AFM / カーボンナノチューブ配線法 / PCI-AFM法 / 分子整流デバイス / 有機分子デバイス |
研究概要 |
SWCNT/ポルフィリン分子複合体では、SWCNT上ではI-V曲線が原点対象になった一方、ポルフィリン集合体上では、静電極側で電流量が抑制され、整流デバイスとして働くことがわかっている。そこでドナー性を示すポルフィリンに対し、分子をアクセプター性を有するナフタレンジイミド(NDI)に変化させることにより、整流方向の反転など電流特性に大きな変化が期待され実験を行った。SWCNT/ジプロピル(Pro-)NDIから得られたI-V曲線を調べた結果、SWCNTは金属的伝導特性を示すのに対し、吸着分子Pro-NDIを通すと0V付近でプラトーな部分が出現することから半導体的伝導特性に変化した。ここで、エネルギーギャップは約1.3eVであった。側鎖をPro-NDIから少し変更したジノニル(No-)NDIから得られたI-V曲線を調べた結果、小さいバンドギャップを有する半導体的SWCNTが、分子の吸着により、大きなバンドギャップを呈し、かつ整流作用も現れた。分子の厚みが大きいほど整流性も大きいことも確認された。これらの違いは側鎖の影響というよりは、SWCNTの金属性・半導体性の違いにより出現したものと考えられる。Pro-NDIとNo-NDIを用いた場合、再現良く金属性あるいは半導体性SWCNTが取り分けられていた。側鎖の違いにより、伝導様式の異なるSWCNTの取り分けが可能であるならば非常に興味深い。電極を変えることにより、整流性が高まったものが確認された。また、p-n接合についてはトランジスター効果の兆候が見られた。これらの結果をまとめると、ナノデバイスの発展が期待でき、今後もさらに分子種を変え測定を継続することが必要と考える。
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