研究課題/領域番号 |
18710171
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用ゲノム科学
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 啓 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助教 (10390626)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 2状態モデル / 多剤耐性 / タンパク質X線結晶構造解析 / 転写リプレッサー / 薬剤複合体 / CgmRタンパク質 / Corynebacterium glutamicum / DNA複合体 / 転写因子 / TctR-family Protein / バクテリア多剤耐性 |
研究概要 |
C. glutamicum由来の新規多剤耐性調節転写因子CGL2612タンパク質(研究成果に基づきCgmR: C. glutamicum multidrug-responsible repressorと命名)による多剤認識機構ならびに、薬剤の結合による本リプレッサーのDNA結合能変化の分子機構を構造学的側面より明らかとした。 本研究で解析に成功した結晶構造は、薬剤複合体2種(それぞれ1.4Åと1.9Å分解能)、DNA複合体1種(2.5Å分解能)の3種であり、研究代表者によって既に解析済みのリガンド・フリー状態でのCgmRの立体構造との比較から、本リプレッサーがこれまでに実証例が無かったタイプの作用機構モデルに属する因子である事が示唆された。リプレッサーはリガンドとの結合により立体構造が変化し、オペレーターDNAと結合・解離をする分子スイッチである。この分子機構として、 1. リプレッサーは元々単独で「DNA結合状態」と等しい構造にあり、リガンドの結合によって「DNA解離状態」が誘導されてDNAとの結合が阻害される。 2. 逆に、リプレッサーは元々「DNA解離状態」と等しい構造にあり、DNAと出会う事によって「DNA結合状態」が誘導されてそれと結合、リガンドはDNA結合状態への構造変化を妨げることによってDNA解離状態を維持し、リプレッサーのDNAへの結合を阻害する。 の2通りの「2状態モデル」が考えられ得る。どちらもリガンドの結合によりリプレッサーのDNAへの結合が阻害されるという機能的意味合いは同一ながら、しかし互いに全く逆の機構的側面を有するモデルである。前者のモデルに属するリプレッサーはTetRタンパク質などが既に知られていたが、後者のモデルについてはこれまで実験的にその存在が証明された例が無く、本研究成果はそのモデルを実証する初めての例である。現在論文投稿準備中。
|