研究課題/領域番号 |
18710223
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ジェンダー
|
研究機関 | 桃山学院大学 (2007) 京都精華大学 (2006) |
研究代表者 |
石田 あゆう 桃山学院大学, 社会学部, 講師 (70411296)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 若い女性 / 昭和30年代 / 女性雑誌 / メディア / 公共圏 / 消費 / ファッション / 世論 / 天皇制 / 女性誌 / 消費社会 / ジェンダー |
研究概要 |
平成19年度は、昭和30年代に起きた、女性たちを取り巻く雑誌メディアの変容について考察した。1941年、戦時の用紙統制から女性雑誌の統廃合が起き、その際形成された女性雑誌の出版体制は戦後に引き継がれた。新雑誌の創刊もあったが、女性雑誌では、戦前から続く婦入雑誌の人気は変わらず、女性雑誌の中枢を担っていた。つまり昭和45年以後の「新しい」タイプの女性誌『anan』『non-no』創刊までは、長らく四大婦人雑誌の時代として語られるのが通説であった。 だが、昭和45年=1970年代以前と以後とで比較してしまうと、昭和30年代のBG(OL)を中心とする「若い女性」のための新雑誌の登場現象を見逃してしまう。それは、テレビが普及した時代でもあり、「テレビ雑誌」と呼ばれるビジュアル重視の女性誌が新しく考えられるようになった時代であった。雑誌のビジュアル重視の傾向は、「若い女性」たちを読者として意識することでより高まる。女性誌メディアは、「若さ」を意識してその情報内容のみならず形式的にも変化を遂げ、昭和20年代とは一線を画す新しい雑誌となっていった。その影響は、とくにファッション情報をめぐって顕著であり、女性の生活の一部としての「洋裁」が、ジャーナリズムへと組み込まれていくことになった。 女性向け雑誌メディアの歴史では、昭和30年代はこれまであまり注目されていなかった。しかし、1970年代以降の新女性誌の傾向として指摘されるビジュアル化は、すでに昭和30年代に進んでいたのみならず、女性向け雑誌の世界が「若い女性」を想定するようになったことで、より「見た目」を重視する感性のメディアとなっていったことは、女性が牽引する公共圏を考える上で、大きな変化の時代であったといえるだろう。
|