研究課題/領域番号 |
18720073
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
桑瀬 章二郎 立教大学, 文学部, 准教授 (10340465)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ルソー / 自伝 / 対話 / 書簡 / 啓蒙思想 |
研究概要 |
2007年8〜9月には、予定通り、フランス国立図書館において資料収集を行なった。そこでの調査の成果は、以下の研究に直接反映されている。 11月には、立教大学において、シンポジウム、「ルソー研究の現在-作品の臨界」を同僚のルソー研究者、吉岡知哉、坂倉裕治とともに開催した。これはルソーについて近年日本で開催された最も重要なシンポジウムである。そこでは自身でも、「ルソーの「統一性」再考-体系、全集、自伝」と題する報告を行なった。これは、ルソーが読者との間に、様々なテクストを通じて、作品の「統一性」、人と作品の不可分性といった、いわゆるルソー的「読解契約」を打ち立てていく過程を分析したものである。自伝的著作の持つ特異な対話性の一面を明らかにできたと考えている。なお、シンポジウムの成果報告書は現在準備中である。 2008年1月には、日本英文学会関東支部会において開催されたシンポジウム、「自伝/ライフライティング研究に何ができるのか?」に参加、ルソーの自伝的著作を中心としたフランス自伝文学についての研究報告、「自伝の「死」-フランスにおける一文学ジャンルの歴史」を行なった。これまでの研究成果を、フランス文学の専門家以外にもアピールできたと思われる。 さらに、昨年の研究成果の一部である、「肖像」を通したルソーと読者の対話的関係についての研究報告を、「自己のフィギュールージャン=ジャック・ルソーと「肖像」」(藤巻明他編『肖像と個性』、春風社)にまとめた。また、本研究の出発点となった、書簡における自伝性と対話性についての研究をさらに発展させ、「文学の誕生-ルソー・アンリエット書簡における告白と対話」(『立教大学フランス文学』第37号)と題する論文にまとめた。 このように本年度も具体的な研究成果を公表できたと考えている。
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