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十八世紀ウィーンにおけるイタリア・オペラの上演状況

研究課題

研究課題/領域番号 18720079
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 ヨーロッパ語系文学
研究機関京都産業大学

研究代表者

中川 さつき  京都産業大学, 文化学部, 講師 (70411014)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードイタリア文学 / バロック・オペラ / リブレット / 十八世紀 / アンシャン・レジーム / ジェンダー / メタスタジオ / オペラ
研究概要

オペラ・セリアの台本を分析することを通じて、十八世紀の劇場におけるジェンダーの諸相を明らかにした。
今年度はメタスタジオのオペラ『シーロのアキッレ』を取り上げた。従来の音楽史においては、メタスタジオの「台本改革」によって、オペラから異装という要素は排除されたと説明されてきた。しかしこの作品において、主人公である若きアキレウスはほとんどの場面で女装しており、しかもその姿は魅力的なものとして描かれる。この作品はマリア・テレジアの婚礼のために1736年に初演されて大成功を収め、その後92年間にわたって欧州各地で再演された。この「女装オペラ」が広く受け入れられた要因は、当時のオペラでは英雄役の音域がヒロインと重なっており、さらに劇場の花形であるカストラートの容貌が女性的なものであったことが挙げられる。観客たちは舞台上で男女の境界が曖昧になり、時に入れ替わる様子に魅了されていたのである。実際、当時のローマでは、オペラでも演劇でも「女形」が一般的であった。したがって「国民を教化する詩人」となることを目指したお堅いメタスタジオですら、美貌の歌手・サリンベーニの出演が決まった時点で「女装」をテーマとする誘惑に抗えなかったのである。
現代のオペラハウスで定番となっている「ソプラノのヒロインがテノールのヒーローを愛して死ぬ」というパターンは1830年以降に成立したものに過ぎない。アンシャン・レジームの観客は両性具有の魅力に惹かれて劇場に足を運んでいたのである。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 『シーロのアキッレ』-女装するバロック・オペラの英雄-2008

    • 著者名/発表者名
      中川 さつき
    • 雑誌名

      京都産業大学論集人文科学系列 39

      ページ: 79-93

    • NAID

      110006676023

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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