研究課題/領域番号 |
18720098
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
佐々木 美帆 茨城大学, 大学教育センター, 准教授 (80400597)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 第二言語習得 / 認知心理学 / リーディング / バイリンガル / 表記法 / 記憶 / 国際研究者交流 / イギリス / リーディング・プロセス / イギリス:フランス / 多読 / シャドーイング |
研究概要 |
本研究は、第二言語習得と認知心理学を融合させた視点から示した「第二言語及びバイリンガル話者における言語と認知プロセス(Conitive processes)の関連性」について、平成18年度に行った新たな実験方法の導入とデータ収集に引き続き、更に新たな第二言語話者グループからデータをとりバイリシガル・プロセス・モデルとして構築することを試みた。 言語比較による実験では、「第二言語の読みのプロセス(reading processes)は第一言語の表記法の影響を受ける」という仮説のもと、昨年度収集したフランス人英語学習者およびイギリス在住日本人英語使用者データに加え、中国人英語使用者のデータを収集した。実験では、他の言語グループ同様、英語の視覚単語認知、語彙テスト、シャドーイング、記憶をはかるリーディングスパンテストを行った。その結果、第二言語(英語)の習得レベルによる読みの効率性(正確さと速さ)の違いは大きいものの、やはり言語グループによる違いも傾向として認められ、第一言語の表記法の特徴と関連していると考えられる。また、習得レベルによって読みの効率性(正確さと速さ)が変わるという今までの結果から、日本人英語学習者の英語多読のワーキングメモリに対する効果を調べた。約2万語の多読の前後で、英語のリーディングスパンスコアが有意に伸びた。 今回の研究では、異なる第一言語を持つ第二言語話者の読みと認知のデータを集めて、第一言語と第二言語の表記法の差の大きさが、読みのプロセスの発達に影響を与えることを示した。また、現在日本の英語教育で注目されている「多読」の効果を認知心理学的な方法で数値に示し、認知的な発達があることがわかった。読みには、表記法を中心とした言語学的要素と、記憶を中心とした認知的要素があり、そのプロセスの研究を行う上で「発達」も視野にいれたモデル構築を進めたい。
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