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弥生時代後期〜古墳時代の墳墓大量出土ベンガラについての基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18720223
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 考古学
研究機関独立行政法人国立文化財機構九州国立博

研究代表者

志賀 智史  国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課保存修復室, 研究員 (90416561)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード考古学 / 赤色顔料 / ベンガラ / 顕微鏡観察 / 文化財科学 / 実体顕微鏡観察
研究概要

本年度は中国,四国,近畿,東海を中心とする地域の教育委員会などを訪問し,資料の提供を受けた。資料数は約20遺跡分となった。本年度は最終年度にあたるため,昨年度分の調査結果と合わせてデータを検討した。
調査目的は,弥生時代後期〜古墳時代の墳墓から大量に出土するベンガラの形態的特徴と鉱物組成を遺跡・遺構ごとに明らかにし,編年と地域性を明らかにすることにあり,この目的に沿って目視観察,実体顕微鏡観察,生物顕微鏡観察,電子顕微鏡観察,蛍光X線分析,X線回折他をおこなった。
西日本の古墳時代前期の前方後円(方)墳の埋葬施設について検討をおこなったところ,中空円筒状の粒子を持つベンガラ(以下,パイプ状ベンガラ)が普遍的に認められる一方で,北部九州ではこの特徴的な粒子を含まないベンガラ(以下,非パイプ状ベンガラ)が主体を占めていることが判明した。
他者の報告も含めてこれまでの分析報告事例を整理すると,北部九州の弥生時代後期から古墳時代の墳墓では,一貫して非パイプ状ベンガラを使用していたと考えられる。そもそも埋葬施設でベンガラを用いることは弥生時代中期末〜後期初頭の北部九州が初源と考えられており,前方後円墳の登場以降その風習が西日本に広まる。北部九州外へ伝播する過程で,非パイプ状ベンガラがパイプ状ベンガラに置き換わっている。
これらベンガラに含まれている粒子の違いは,原料の違いに起因するものと思われる。パイプ状ベンガラは湖沼に生息する鉄細菌を焼成して得られたものであることが判っている。非パイプ状ベンガラの原料はよくわかっていないが,両者で原料が異なっていたことは予想される。
したがって,北部九州で誕生した墳墓埋葬施設にベンガラを用いる風習は,北部九州では非パイプ状ベンガラを用いていたものの,その風習が古墳時代になって西日本に広まる過程でベンガラの種類がパイプ状ベンガラに置き換えられたものと考えられる。このパイプ状ベンガラがヤマトから直接もたらされたものなのか,各地域にあった材料が用いられただけなのか,なお検討の余地があるが,今後さらなる調査と検討を行いたい。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 中島笹塚古墳群出土赤色顔料とその関連資料の微視的・科学的調査2008

    • 著者名/発表者名
      志賀 智史
    • 雑誌名

      東谷・中島地区遺跡群9 中島笹塚古墳群・中島笹塚遺跡(1-8区)

      ページ: 412-421

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 塩田北山東古墳出土赤色顔料の微視的・科学的調査2008

    • 著者名/発表者名
      志賀 智史
    • 雑誌名

      塩田北山東古墳発掘調査報告書

      ページ: 49-54

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 大中遺跡出土の赤色顔料2007

    • 著者名/発表者名
      志賀智史
    • 雑誌名

      大中遺跡II・山之上遺跡(兵庫県文化財調査報告) 310册

      ページ: 59-62

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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