研究課題/領域番号 |
18720228
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鳴海 邦匡 大阪大学, 総合学術博物館, 助教 (00420414)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 地図史 / 技術史 / 測量 / 文化伝播 / 近代化 |
研究概要 |
平成19年度は、以下の点を中心に研究を実施した。 1.近世の農村にみる実測図の展開過程:近世を通じて地図を作るための測量技術がどのように展開したのかを検討した。使用される道具のうち、コンパスに注目して歴史的な展開を明らかにした。その成果は2007年7月に研究会にて発表し、内容を2008年3月刊行予定の書籍で報告した。また、特異な事例として沖縄県に注目して調査を実施し、その成果の一部をまとめ、2007年12月刊の紀要に掲載された。 2.技術書の翻刻:近世の測量技術を理解するうえで、当時の技術書の活用は不可欠であるが、その多くは刊行されないなど利用し難い状況にある。ここでは、これまでの研究から重要だが、刊行されることのなかった資料を選定し、翻刻およびテキスト化の作業を行った。対象とした資料は17世紀末から18世紀初めの技術書で、『磁石算根元記』、『秘伝地域図法大全』、『分度余術』の3点である。併せて近世の測量器具の調査も、鎌田共済会郷土博物館などで実施した。 3.地図作成プログラム開発の準備:近世の測量技術を理解するひとつの手段は、測量データから実際に地図を復元することである。それは測量帳の分析手法を確立することであるが、その復元作業は多くの労力を必要とするものであった。作業の軽減と研究の広がりを期待し、江戸時代の測量データから復元図の作成を支援するプログラムを開発した。その成果の一部は2008年7月刊行の雑誌に掲載される予定となっている。 4.近代地籍測量における近世測量の役割:近代の地籍測量において、近世的な技術は明治前半まで大きな影響力を有した。その影響力と近代地籍測量への展開をみるため、税務大学校資料室などで調査を実施した。 5.幕府権力による地図の作製:大坂城代による地図作成を理解するため旧譜代大名関係資料の調査を実施し、その成果を2008年2月刊行の書籍で報告した。
|