研究課題/領域番号 |
18730069
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大西 邦弘 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (50368594)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | イングランド不法行為法 / 寄与過失 / プライバシー / 代替的損害賠償 / 取引機会の喪失 |
研究概要 |
本年度も昨年度に引続き、経済的損害にかかる責任=救済法構築のための基盤的研究として主にイングランド法との比較法の手法をとることによって研究を行った。つまり、イングランド法では現在においても個別の不法行為が「開かれた束」となる不法行為法(The Law of Torts)の構成を維持しており、ここからは多大なる示唆を得ることが可能であることが明らかとなった。 具体的には、まず被害者と加害者の帰責性の観点から、イギリス法における「寄与過失(contributory negligence)」の法理に焦点を当てて分析を行った。すなわち、イングランド法の不法行為は、わが国と異なりすべての不法行為につき被害者の事情のみに基づいて寄与過失による賠償額の減額がなされる訳ではなく、加害者の事情をも衡量して賠償額の減額がなされている。ここには、もちろん経済的損害の観点も持ち込まれていることになる。 また、経済的損害とはやや離れるが、イングランドにおいてはプライバシーの保護についても新たな展開が見られる。これは、従来の物理的な損害から離れた新たな利益の保護という趣旨で興味深いが、これには、ヨーロッパ法の観点が不可欠であることが明らかとなった。 以上のような分析結果を踏まえ、引き続き、経済的損害と不法行為法の機能に関する研究を続けていきたい。
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