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法律行為論における自律的規範と他律的規範の関係

研究課題

研究課題/領域番号 18730076
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 民事法学
研究機関成城大学

研究代表者

中村 肇  成城大学, 法学部, 准教授 (70324027)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード事情変更の原則 / 退会の自由 / 不能 / 利息制限法 / 団体の会則 / 「二重目的」の消費者契約
研究概要

本年度は、自律的規範と他律的規範の関係につき、まず、合同行為に相当する団体法に関連して、組合員の組合からの脱退を制限する合意の効力が問題となった事案について、判例評釈を行った。かかる判断は、組合の団結権の保障よりも個々の組合員の団体選択の自由を保障することを優先するものであり、本研究テーマにとって興味深い。
契約関係に関するものとしては、第71回日本私法学会において、「事情変更の顧慮とその妥当性」という表題で個別報告を行った。従来から行ってきた事情変更の原則論の淵源理論たるclausula rebus sic stantibus理論の展開につき、18世紀の法典編纂の時代の立法内容、それに関する学説・実務の展開を中心にして検討した。さらに、現在のドイツ法との比較を行うことで、古典的なclausula理論の中での議論が現在の議論と同様の問題意識を持っていたこと、そこでの議論が現在の視座にとっても有益であることをあきらかにすることを試みた。
ほかに、山田卓生先生の古稀記念論文集に提出した論説において、ドイツの2002年債務法改正に際して立法化が見送られた「一時的不能」の問題について検討を加えた。一時的不能という給付障害法は、わが国でも従来議論されておらず、自律的決定の限界問題の一つとして、位置づけることが可能である。ドイツ法は、改正の際に当初は一時的不能の明文化を試みていたところ、議論の末、従来通り学説、判例に取扱いをゆだねることになっている。わが国での債務法改正の議論においても、同様の問題が起こる可能性があり、ドイツでの議論は参照に値しよう。
その他に、自賠法に関して、自賠法に規定された支払基準の損害算定に際しての拘束力が問題となった事案について判例評釈を行ったこと、利息制限法違反の過払い利息の返還に関連する判例評釈を行ったことを付け加える。いずれも特別法に関連する事案であるが、特別法上の規定の解釈が問題となった場面であって、本研究テーマと関係するものである。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (8件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] カード基本契約に基づ<借入金に対し過払金が発生した場合に、同契約が将来債務への充当を認める旨の合意を含むものとされた事例2008

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      判例時報 (判例評論) 1996号

      ページ: 173-179

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 自賠法16条の3第1項が規定する支払基準の損害賠償額算定における拘束力2007

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      法律のひろば 60巻4号

      ページ: 53-58

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 組合員の組合からの脱退を制限する合意の効力2007

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      法律のひろば 60巻10号

      ページ: 60-65

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 事情変更の顧慮とその判断過程について(1)2007

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      成城法学 75巻

    • NAID

      110006469031

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 権利能力のない社団からの一方的意思表示による退会の可否2006

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      法の支配 141号

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 「二重目的の」消費者契約における裁判管轄2006

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      国際商事法務 34巻5号

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 自賠法七二条-項後段による損害のてん補額支払義務の履行期及びてん補額算定における葬祭費支給控除と過失相殺の先後関係.2006

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      法律のひろば 2006年8月号

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 入会集団の会則と公序良俗違反2006

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 雑誌名

      法律のひろば 2006年12月号

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] 事情変更の顧慮とその妥当性2007

    • 著者名/発表者名
      中村 肇
    • 学会等名
      日本私法学会
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      2007-10-07
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [図書] 『山田卓生先生古稀記念論文集-損害賠償法の軌跡と展望-』(近刊)2008

    • 著者名/発表者名
      円谷峻編集代表
    • 出版者
      日本評論社
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [図書] ハイブリッド民法1総則2007

    • 著者名/発表者名
      小野秀誠ほか編著
    • 総ページ数
      325
    • 出版者
      法律文化社
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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