研究課題/領域番号 |
18730109
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡部 淳 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 助手 (50344528)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 北東アジア / 日本:韓国:中国 / 知的アクター / 社会エリート / 民主主義 / モビリゼーション / 社会運動 / 市民参加 / 官僚 / シンクタンク / 大学 / マスメディア / NGO:NPO:労働組合 |
研究概要 |
本年度は平成18年度に引き続き、各国内における社会エリートとしての知的アクターの在り方と影響力を、理論および事例から検討し、知的エリートの知識生産の国際及びトランスナショナルなレベルへの波及、並びに知的エリートを媒介とした、国内と国際そしてトランスナショナルな共振関係を探った。本年度は、特にこれまでナショナルな枠の中でのみ考えられがちであった、日・中・韓の北東アジア諸国の社会運動と民主主義を、知的エリートアクターによって効果的にモビリゼーションが起こされたり、媒介されたりするものと捉えて、そのダイナミズムのナショナルな境界を越えた「外部性」に焦点を当てて検討を行った。この社会エリートによる、民主主義的メカニズムにおける知識・制度・手続き上の、社会運動と市民社会の参加的統合に関しては、理論・実践のレベルにおいて北欧の先進事例から得られたものをプロトタイプとし、そこから北東アジア社会を照射するという方法を用い、そのパースペクティブの一部を「世界政治における先進民主主義とカウンター・エリートの「外部性」の政治社会学」『メディア・コミュニケーション研究』論文(2007年)で、学術的議論を問うものとなった。北東アジアは中国という民主主義体制をとらない国を抱え、日本や韓国と若干の事情の違いはあるものの、全体として地域的に進む公的機能の情報化・商業化・民営化の内外に、知的アクターによる権力の監視・情報公開または議論の惹起・世論の活性化などの事例が多く確認された。しかし、欧米に比較した場合に、いまだグローバルな諸アジェンダに対する地域的な広がりを持つ、トランスナショナルな社会的意思の統合と発信、行動実践の実体化は弱く、今後はこれまでの成果を活かし、さらにこの論点の分析を深めたい。
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