研究課題/領域番号 |
18730205
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木村 真 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 博士研究員 (50419959)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 自治体バランスシート / 公会計 / 財政評価 / 財政再建団体 / 財政破綻 |
研究概要 |
[内容] 本研究では自治体のストックに関する財政評価手法の確立に資するべく、近年普及しつつある総務省方式の自治体バランスシートについて財政再建団体を事例にその活用法を検討した。平成19年度の研究では、財政再建団体の事例として北海道夕張市を取り上げ、総務省方式のバランスシート作成を通じ、財政破綻の要因とバランスシートの関係について研究した。 研究の成果は次のようにまとめることができる。第一に、総務省方式の自治体バランスシートでは正味資産のうち一般財源等と偶発債務が重要な意味を持つことを確認した。第二に、夕張市の行った不適正な会計処理の影響が従来の財政指標にどのように現れていたかを示し、連結バランスシートの作成過程でそれを発見することが可能であることを示した。第三に、現行の総務省方式に替わって新しい形式の財務諸表が整備されることになったが、その新しい財務諸表を用いる際の問題点と本研究成果の応用可能性も示した。 [意義・重要性等] 総務省方式のバランスシートは、2000年に作成方法が示されて以来多くの自治体に普及したが、その特性が十分に明らかでないことから活用方法を模索する自治体も多く、評価手法の確立が望まれていた。本研究はこうした実務的な要請に応えることを目標の一つとしており、この点については、青森県が2007年度に実施した「市町村行政改革アドバンス事業」において本研究成果の一部がとり入れられるなど、一定の成果をあげている。 また、計画段階から財政再建団体を分析対象とすることを予定していたが、実際に本研究期間中に夕張市が財政再建団体入りしたことで、いち早く取り組んでいた本研究の重要性を再認識した。夕張市の問題以降、地方財政健全化法の成立や新方式の財務諸表の整備が決定されるなど様々な改革が行われたが、本研究成果は新制度の運用改善や改革を行う際の基礎的研究としても貢献できるものと考える。
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