研究課題/領域番号 |
18730209
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 恒 東京大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (80418649)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 信用リスク / 債券再構成 / インパルス・コントロール / 連続時間 / Costly State Verification / Costly State Verfication / 破産 |
研究概要 |
・連続時間契約モデルを用いた信用リスクにおける流動性プレミアムの分析に関して、当研究費補助のもとで平成18年度に構築した均衡理論モデルを使って、平成19年度は、連続時間の確率解析の手法を用いて、現実的に有用と思われる数値解析を行った。 ・具体的には、連続時間においてCostly State Verificationが存在するもとでの競争的な最適証券デザインモデルを完成させ、債券の戦略的破産行動に関して、債券流動化(解散)に比較したときの債券再構成の意義を示した。信用コストが景気に反比例して景気変動を増幅させる形で変動し得ることを示した。 ・従来の信用リスクモデルでは(1)情報が債権者と債務者間で対照、(2)債権者のみが破産を誘発、(3)破産を債券流動化(解散)のみに限定する、等のうち一つ若しくは複数の要因によって破産確率を過小評価しがちであった。それに対し、本研究は情報の非対称性のもとで債務者が戦略的に破産行動、とくに債券流動化(解散)と債券再構成のそれぞれ、を誘発する状況をモデル化し、債権者から見た期待破産確率を現実的に大きく計測し得ることを示した。 ・この研究成果に関して、日本、米国での大学・研究機関でセミナー・コンファレンス発表を行った(下記参照)。とくに米国ワシントンDCのFederal Reserve Board of Governorsの研究部署に2年続けてそれぞれ1,2週間の研究滞在をした。 ・連続時間の確率解析の手法を使って数値例を示すことによって、モデルの意義を明確に示すことに成功した。実際、インパルス・コントロールの手法を応用し数値解析に成功したことは数学の見地からも意義のあるものと思われる。 ・現在、この研究に基づいて2本の論文を米国ジャーナルに投稿し、審査中である。
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