研究課題/領域番号 |
18730255
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
山本 崇雄 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (30318761)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 多国籍企業 / ベスト・プラクティス / 知識共有 / 知識フロー / 日本企業 / 欧州企業 |
研究概要 |
研究期間のうち最終年度にあたる本年度は、昨年度に引き続き関連領域の文献レビューを行うと同時に、フレームワークの構築および精緻化に注力した。フレームワークの構築にあたり、引き続き日系多国籍企業と欧州系多国籍企業におけるインタビュー調査を実施した。今年度は、アメリカ(ニューヨーク)、中国(広東省、香港)、フランス(パリ)に拠点を有する日系多国籍企業・欧州系多国籍企業を訪問し、ベスト・プラクティス(以下BPと記す)の共有やナレッジ・マネジメントの実施状況について調査を行った。 こうした調査を通じて、以下の発見事実を得ることができた。第1に、日系多国籍企業が海外で獲得・蓄積した知識、特にBPを全社的に活用できていない原因を特定するという研究目的については、(1)ユニット(本社および海外子会社)間でBPの共有・活用に関するマインドセットが共有されていないこと、(2)BP共有・活用を全社的に実施しようとするりーダーシップの欠如、(3)(1)、(2)の結果、BP共有を行うための組織的な仕組みの欠如があることが発見された。BPの全社的共有には多大なコストがかかるが、これをいかに克服する仕組みを構築するかが全社的にBPを活用している企業と活用していない企業との差異であることが示唆された。第2に、BP共有を実施している日系多国籍企業や欧州系多国籍企業の事例からは、(1)BPの全社的共有を促進するために、何らかの組織的仕組みを構築していること、(2)加えて、組織的仕組みを活用するために、直接的人的接触を起こす場を設置していること、(3)BPの全社的共有の心理的コストを下げるために、全社共通の言語やルールなどをグローバルレベルで導入していることが発見された。こうした成功事例は、BPをうまく実施できていない日系多国籍企業にとって示唆となるであろう。 これらの研究成果は、今年度の学会や図書にて報告しており、今後も学術雑誌への投稿を予定している。
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