研究課題/領域番号 |
18730271
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 (2007) 徳山工業高等専門学校 (2006) |
研究代表者 |
松野 成悟 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 准教授 (30290795)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | トレーサビリティ / 企業間関係 / 情報ネットワーク / EDI / 企業間連係 |
研究概要 |
本研究の目的は、企業におけるトレーサビリティ(商品の履歴追跡管理)への取組みの現状分析をふまえ、複数企業あるいは業種にまたがるサプライチェーンにおけるトレーサビリティの実現に向けての課題を、とくに企業間における情報共有の問題を中心に検討し、トレーサビリティシステム構築における企業間情報ネットワーク形成の役割について明らかにすることにある。本研究の二年目であり最終年度となる今年度は、独自に実施した質問票調査データの分析と考察から得られた知見にもとづき、トレーサビリティシステムの設計におけるアクター理論の適用可能性についてモデル分析を中心とした研究を展開した。具体的には、企業がトレーサビリティを導入するスタンスには能動的な側面と受動的な側面とが観察されること、そして、これらのスタンスの相違が、EDIデータの二次利用などバックヤード形成に影響を与えていることなどが明らかにされた。これらの知見から得られるトレーサビリティシステム設計上の含意として、統一モデリング言語(UML)で記述されるシステム概念図の特徴を見出せることがあげられる。たとえば、トレーサビリティシステム構築に対して能動的なスタンスをとる企業では、システム設計上、電子タグがアクターとしてふるまい、トレーサビリティシステムとサブシステムおよびEDIシステムとの連結点としての役割を果たすことで、企業間情報ネットワークの形成に外延的な広がりを認められることが指摘できる。また、企業間における情報共有やその基盤の整備・運用に関しては、必要とされる知識や技術などの獲得という点で、自社の情報システム子会社や外部ベンタへのアウトソーシングに依存する側面が大きく、トレーサビリティシステム構築に際しても、これらアウトソーサーとの緊密な関係が果たす役割は大きいと考えられる。
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