研究課題/領域番号 |
18730281
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
福冨 言 京都産業大学, 経営学部, 講師 (80387993)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 小売業 / サービス業 / 経験効果 / 商業 / インセンティブ / 販売 / 営業 / マーケティング |
研究概要 |
本研究は、(1)商業・サービス業の経験曲線を描写すること、(2)販売職に就く人々が組織の経験効果や自身の技能をどのように認識しているかを探ること、(3)組織の経験効果の有無と人々の認識によって取引相手との交渉力格差に変化があるかどうかを検証すること、以上3つの課題に取り組むことを目的としている。 第1の課題について、自動車、住宅、生命保険の事例を取り上げる。分析期間を長くとった場合、自動車産業の事例では、売上原価や人件費などの費目については製販ともに経験効果は明らかでない。一方、創業と分析開始時点をできるだけ近づけ、比較的短い期間での分析をおこなった場合、ある住宅メーカーの事例では販売手数料などに経験効果が見られた。が、すべての販売費やマーケティング費用において見られたわけではなかった。一方、ある生命保険業者を事例とした分析では、(A)団体保険の被保険者数や(B)個人保険の契約金額、(C)個人・団体両者の契約件数、(D)同・契約金額の累積に応じた事業費の減少傾向を確認することができた。ラインアップの複雑さや価格帯の広さ、企業の意思決定によって経験効果は顕示的なものではないが、その存在について手がかりを得た。 第2、第3の課題について自動車販売業者の事例を取り上げる。第2の課題について、組織の経験効果に関する質問票調査を68店82名の販売員に対して実施した。その結果、(A)店舗としての規模拡大による人件費や広告費の節減に比べて(B)経験を積んだ販売員によるコスト削減の効果について懐疑的であることがわかった。 最後の課題について、自店の経験効果に関する認識とメーカーとの交渉力格差との間に有意な関連を確認することはできなかった。ただし、本研究の成果の一つは、極めて限定的な条件下あるいは特殊な状況下ではない状況で、第三次産業に属する組織の経験効果を描写することができた点であると考える。
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