研究課題/領域番号 |
18730284
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
竹田 育広 近畿大学, 経営学部, 准教授 (60329068)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | サービス提供環境 / 物理的環境 / 空間演出機能 / 自然環境 / 構築環境 / 経験価値の創造 / サービスセッティング / 演出装置の3E機能 / 感情の商品化 / 専門的知識の商品化 / 雰囲気の商品化 / 構築環境のマネジメント |
研究概要 |
環境には国立公園や原野などの自然環境とオフィス、商業施設、集客施設などの構築環境の2種類がある。本研究がテーマとした空間演出機能と縁が深いのは後者である。人工的ににぎわいを創出するためにはサービス提供場面のデザインが必要とされ、その活動は時間と労力を必要とし一種の芸術とも言える。なぜ、これほどまでに空間演出によってにぎわいを意図的につくらなければならないのか、この問題点こそが本研究の大きな論点であり、これに一定の結論を下すことが研究成果となる。そのためにサービス提供プロセスの特徴からサービスを「フロントオフィス中心型サービス」と「バックオフィス中心型サービス」に分類した。前者のサービスの特徴はサービスの提供場面そのものが企業が顧客に提供するサービスの大部分を占める点にあり、企業は顧客の体験内容を具体化するためにそれなりの「空気(雰囲気)」を生産しなければならない。フロントオフィス中心型サービスでは空間演出機能は顧客が実用的動機あるいはレジャー娯楽的動機のいずれの場合でも顧客体験に対してメッセージ、注目そして感動を創出する手段として必須のものとなる。これに対して、バックオフィス中心型のサービスは、空間演出機能による人工的なにぎわい、雰囲気の創出に対する顧客の知覚効果は限定的となる。なぜならば、サービス提供プロセスのほとんどを顧客が立ち入ることのない舞台裏で遂行しているからである。よって、このようなサービスにおける演出戦略は、できる限り無駄を省いたリーン設計となり、従業員にとって魅力的な空間を作ることに焦点が置かれるようになる。最後に、空間演出が顧客価値の差別化につながる点を強く強調してきたが、近年の集客施設での事故・不具合が後を絶たない。あくまでも安全という暗黙のサービス品質が保証された上での演出機能であるという点を主張しておくこととしたい。
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