研究課題/領域番号 |
18730361
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
佐藤 繭美 杏林大学, 保健学部, 講師 (90407057)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 死別ケア / ソーシャルワーク / 自閉症 / 認知症 / ソーシャルワーカー / 死生観 / 看取り / ソーシャルワーク実践 |
研究概要 |
本研究では、人々の生活を支えるソーシャルワーク実践の視点に基づき、自閉症及び認知症高齢者の看取りの実際について明らかにし、社会福祉専門職に求められている死別ケアやソーシャルアクションについて具体化していくことを目的としている。 今年度は、1.初年度のインタビュー調査を土台として、知的障害者入所施設及び自閉症者施設、特別養護老人ホームに対しアンケート調査を実施した。特別養護老人ホームからの調査票回収率は43.0%、知的障害者施設及び自閉症者施設からの回収率は49. 0%であった.2.アンケート調査と平行し、継続的なフィールドワークを行い、社会福祉分野における看取り体制の脆弱性について、知的障害者施設代表や高齢者施設関係者と話し合いを持つ機会を得た。その結果、両者に共通のケア課題として、「医療行為」「医療従事者の確保」「社会福祉専門職者の死生観」という課題が挙げられた。 また、1.において、領域別(高齢者・障害者)で社会福祉サービスが実施されている今日では、アンケート調査過程で想定外の指摘事項が浮上した。特に指摘するべき点は、高齢者施設では、看取りの実施がかなり意識化されており、介護保険制度における介護報酬の加算内容として「看取り」が加えられていることも影響し、スムーズなアンケート調査が実施された。しかしながら、知的障害者施設では、「看取り」自体が医療機関に任せる行為であるという認識が圧倒的多数であり、「看取り」を実施していないと考える施設が非常に多く存在した。そのため調査過程で急濾、代表的な施設数十箇所に電話インタビューを実施したところ、施設内で「看取り」を実施はしていないという認識ではあるが、入所者の医療機関への入退院援助や家族間調整、投薬治療補助はかなりの頻度で行われていることが明白となった。つまり、社会福祉専門職者が「看取り」について曖昧であること、共通の定義や見解を有していないことが課題として浮上してきたのである。こうした領域別の比較検討は、「看取り」の支援体制を整備する点では見落とすことのできない重要な課題であることが本調査から示唆された。当事者の生活の支えることを目指すにあたって、「専門職者の死生観〉を育成することが求められているといえよう。
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