研究概要 |
本研究は重症心身障害者を対象に実験的働きかけ場面を設定し,その心理的変化を唾液中コルチゾール,唾液中アミラーゼ活性ならびに行動観察等を通じて検討した。対象と親密な関係にある療育者(Ns.)と,今回の実験的場面で対象と初めて出会う実験者(Str.)が同様の働きかけを行った。そして,同場面において採取した唾液からコルチゾール量やアミラーゼ活性を求めた。その結果,対象者の反応はNs.とStr.の働きかけに対して異なっており,両者の働きかけを区別していることが示唆された。このことから,本研究で採用した唾液中物質に関しては,重障者の心理的応答性を即時に評価する上できわめて有効であることが指摘できる。
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