研究課題/領域番号 |
18730470
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
永井 淳一 聖心女子大学, 文学部, 講師 (10343104)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 視覚的注意 / 視覚探索 / 概念 / 日常物体 / 視覚物体認知 |
研究概要 |
本年度は、前年度までの実験結果を国内外の3つの学会で発表するとともに、先行呈示探索と探索非対称性のパラダイムを用いて、視覚的注意の誘導・抑制のメカニズムと知識・概念との関係を検討した。 先行呈示探索のパラダイムは、妨害刺激の一部を先行して呈示した後、標的刺激を含む残りの刺激を追加して呈示するというもので、この場合、標的の探索時間は先行呈示された妨害刺激の影響を受けず、あたかも後続呈示された刺激のみの中から探索が行われうることが知られている(先行呈示効果)。本年度の研究では、個々の探索刺激に日常物体の線画を使用し、先行刺激と後続刺激の意味的カテゴリーの異同の影響を調べる実験を行った。その結果、先行刺激と後続刺激のカテゴリーが同じである場合に、先行呈示効果が弱まる傾向が認められた。 探索非対称性に関しては、先行研究において、新近性の低い物体の中から新近性の高い物体を探索する場合の方が、その逆の場合よりも探索が困難であることが報告されている。本研究では、日常物体の見えの典型性によって探索非村称性が生ずるかどうかを調べた。実験の結果、典型的な見え(斜め方向からの見え)の物体の中から非典型的な見え(正面からの見え)の物体を探索する場合の方が、その逆の場合よりも探索が困難であることが示された。すなわち、物体の見えの新近性の影響は認められず、方位の影響が強く現れるという結果が得られた。 また、探索非対称性に関する別の実験では、顔文字を用いて表情の影響を検討した。実験の結果、先行研究で示されてきたような表情の違い(怒り顔・幸福顔)による探索非対称性は、顔文字では生じないことが示された。
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