研究課題/領域番号 |
18730478
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
松田 佳尚 理化学研究所, 言語発達研究チーム, 研究員 (60342854)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | マザリーズ / 母子 / 言語発達 / f MRI / 脳 / 韻律 / 幼児語 / ミラーニューロン / 育児 / 母親 / fMRI / 外向性 |
研究概要 |
乳幼児に向かって話しかける際、私たち大人は独特の話し方をする。マザリーズともよばれる声高く、ゆっくり話す話し方は、老若男女問わず、ほぼ全ての言語圏・文化圏でみられる。このマザリーズの脳内処理に関して、喃語期乳児の母親に有意な活動があることを昨年度に明らかにした。今年度はこの活動が子どもの言語発達に合わせてどのように変化していくのかを明らかにするため、二語文期の幼児(平均年齢2才)の母親、小学一年生児童(平均年齢7才)の母親を対象に、マザリーズの脳内処理を探った。その結果、これら2群の母親には有意な活動は見られなかった。すなわち、マザリーズを最も頻用する喃語期乳児の母親においてのみ脳活動が見られることが分かった。有意な活動は言語野である左脳・下前頭葉(ブローカ野)および左脳・側頭平面の一部(Spt野)に見られた。左脳Spt野は音声と発話の変換部、ブローカは調音に関わる領域と考えられている。発話に関するこの2領域が、音声を聴取しただけで活動したのである。日常からマザリーズを頻用する母親群でこの活動が見られたことから、発話に関するミラーニューロンが駆動したと考えることができる。また社交性の心理指標である「外向性」の得点が高い喃語期乳児の母親ほど、マザリーズ聴取時における口唇運動領野の活動が高まった。以上の結果から、マザリーズの脳内処理は、男女差だけでなく、マザリーズの使用頻度や個人差を反映していることが分かった。
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