研究課題/領域番号 |
18730521
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育社会学
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
倉石 一郎 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (10345316)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
1,750千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 150千円)
2008年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 教育学 / 社会学 / 宿題 / 住宅 / 家庭-学校関係 |
研究概要 |
本研究では第一に、同和教育運動の中での<宿題>をめぐる議論や実践の事例を、各地の同和地区を訪ね歩きながら資料収集と聞き取り調査を重ね分析を行った。その中でも特に、高知県地方において、同和地区を対象に配置され、地域・家庭・学校の結び役として活躍した「福祉教員」の軌跡に重点を置いた。史料などに現れることのない、戦後初期同和教育の長欠生を対象とした「寺子屋学校」的な試み、宿直室での生徒とのコミュニケーションなどから、<宿題>が、単に学校教育の補完的役割を家庭に押しつけているばかりでなく、<宿題>が触媒となって、学校でも家庭でもない第三の空間作りに寄与している面が浮き彫りにできた。第二に、同和地区における住宅改良事業の展開を、教育の視点、とりわけ宿題の問題に引き寄せながら再解釈する試みを、同じく高知県をフィールドに試みた。福祉教員からの聞き取りを通じて、住宅の問題についても知見を得ることができた。またこれに関連して第三に、学校での経験を「住まう」という視点から捉えることの可能性に関する理論的、経験的考察を試みた。戦後初期から高度成長末期ごろまでの日本の学校においては、宿直室に典型的に現れているように、学校は単に授業や学習活動を行うハコではなく、そこに存在する人びとによる自由な意味構築活動を許容し、生活の足場になる空間だった。人びとはそこで多様なモノやコトを見出したり再発見し、それらとともに意味を作り出してきた。このような認識から、「住まう」という視点から学校のさまざまなモノやコト(宿題もそこに含まれる)に焦点を当てる教育叙述に豊かな可能性があることを明らかにした。
|