研究課題/領域番号 |
18730539
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森田 真吾 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10361403)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 教育学 / 明治期 / 文法教育 / 国語意識 / 文法教科書 / 文典 |
研究概要 |
本研究は、我が国の国語教育において「国語」という概念がどのように位置づけられ、それが学習者の国語意識の形成にどう寄与したのかという点を明らかにすることを目的としている。そこで、まずは明治期における国語科教育の実態に注目し、なかでも特に高い規範性を有しながら「唯一正しいもの」として提示されてきたと思われる「文法」の指導内容が、、学習者の国語意識の形成に対してどのような役割を果たしていたのかを、実際に使用されていた文法教科書の検討などを通して明らかにしようとするものである。本年度は、昨年度に収集した明治期編纂の文法教科書の具体的な検討を中心に、教科書記述における国語意識の反映状況について考察を加えた。研究成果は以下の通りである。 1 明治期編纂の文法教科書における「国語」という用語の出現状況の把握 ・文法教科書の「総論」などの中で「文法」を定義する際、あわせて「国語」の定義を試みているものを整理・抽出した。 2 文法教科書における異なるレベルの「国語」概念の整理 ・文法教科書の中で説明されている「国語」が、当時における文法教育の二つの目的に対応する形で異なる概念を含み持っていたことを確認した(語学研究の対象としての「国語」・学ばなければ誤ってしまう存在としての「国語」)。 3 文法教育の担った作文指導的役割と国語意識の涵養との関係の指摘 ・明治期における文法教育は作文指導(文章を誤りなく書き表すこと)と密接な関係を有していたが、「誤りなく書き表すもの」が「国語」として意識されるようになったことが、極めて規範性の高い国語意識の涵養につながっていった点を明らかにした。
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