研究概要 |
本年度は,複式学級における算数科授業デザインに関して,昨年度に行った実験授業を基に分析を進め,授業デザインの精緻化を行った。具体的には,昨年度に行った授業デザインによる実験授業のビデオ分析を継続して行い,研究成果を論文にまとめるとともに,授業デザインのコンセプト等をまとめた報告書,授業の様子を収めたDVDを作成した。 また,授業デザインの精緻化については,本研究で授業デザインの理論的基礎とした本質的学習環境の理論の提唱者であるドルトムント大学のE. Ch Wittmann氏を訪れ,直接アドバイスを得ることができた。特に,ドルトムント大学訪問の際には,ドイツの基礎学校(小学校)低学年における複式学級形式の授業を参観することができ,低学年における合同学習形態の算数科授業の展開について,具体的な事例を通して授業デザインのヒントを得ることができたことは,本研究の大きな成果であった。 本研究で行った実験授業の分析結果については,全国数学教育学会の研究紀要「数学教育学研究」,および鹿児島大学教育学部附属教育実践総合センターの研究紀要「教育実践研究紀要」に投稿し,掲載された。 また,本研究の成果をまとめた報告書,実験授業の様子をまとめたDVDについては,平成20年度以降,鹿児島県の教育委員会,総合教育センター等を中心とした教育機関に配布し,複式学級指導における算数科学習指導の資料として活用してもらう予定である。
|